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東京高等裁判所 昭和56年(行ス)19号 決定

抗告人(原告)

森広充

相手方(被告)

川原幸男

右訴訟代理人

木下健治

右当事者間の東京地方裁判所昭和五五年(行ウ)第四二号行政行為違法確認請求事件について、抗告人のした文書提出命令の申立て(同裁判所昭和五六年(行ク)第五一号)につき昭和五六年七月一七日付で同裁判所のした申立て却下の決定に対し、抗告人から即時抗告の申立てがあつたので、当裁判所は、次のとおり決定する。

主文

本件抗告を却下する。

理由

抗告人の抗告の趣旨及び理由は別紙記載のとおりである。

しかし、原決定は、本件文書提出命令の申立てにつき証拠調べの必要性がないとして却下をしたものであるところ、文書提出命令の申立ては書証の申出の一方法であるから、右申立てにかかる文書につき証拠調べの必要性があるか否かは受訴裁判所が専権的に判断すべきものであり、証拠調べの必要がないとして右申立てを却下した受訴裁判所の判断に対して不服があるときは、終局判決に対する上訴においてこれについての上訴審の判断を受けるべきものであつて、右却下決定に対して独立の不服の申立てをすることはできないものと解すべきである。

よつて、本件抗告は不適法であるからこれを却下することとして、主文のとおり決定する。

(香川保一 菊池信男 柴田保幸)

別紙〈省略〉

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